菊秀 純米酒 720ml(2017年4月)
【2017年4月27日】

菊秀 純米酒_450

■テイスティングコメント
控えめに、熟したバナナやメロンのような果実香が香る。
口に含むと、苦味を伴う豊かなコクから、透明感のあるミネラリーな酸へと繋がる。
押し寄せる米の旨味が、丸味を帯びた酒の骨格に見事に納まっている。
まろやかさと重心の低さが同居する濃厚な辛口で、鼻を抜ける香りにヒノキのようなニュアンスもある。


※冷よりは、常温かぬる燗が良さそうです。


繊細ながら荘厳な和楽器の旋律のような印象で、どこか懐かしい癒しを感じます。

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■概要
産地:長野/橘倉酒造
酒米:美山錦(長野県産)
アルコール:15度
精米歩合:59%
酵母:協会901号(香露酵母)
酒母:速醸
仕込み水:八ヶ岳山系千曲川の伏流水(中軟水)


橘倉酒造は、信州・佐久で、江戸・元禄より三百数十年の歴史を持つ。
江戸以前に名主であった井出家は、年貢を納めながら余った米で日本酒を造っており、蔵として記録にあるのは、江戸、延宝五年である。
創業年の記録は無いが、三百数十年の歴史を持つ日本で最も古い蔵元の一つであり、江戸から明治にかけては、酒造りの他にも漢方薬なども手がけ、その歴史資料も数多く残っている。
屋号の「橘倉」は、先祖が平安時代には橘姓だったことから、橘の酒倉の意味に由来している。


信州佐久は北に浅間山、南に八ヶ岳を仰ぎ、美しい千曲川が流れ、標高700mの高原である。
もとより酒は、所謂「工業産品」に非ずして、美しい風土と微生物(麹菌の糖化作用と酵母菌のアルコール発酵)がもたらす「自然の賜(たまもの)」であるという信念のもと、酒造に適した寒冷な気候風土、清冽な水と豊富な米を以て、大地に根ざした酒造りを目指している。