一觴一詠 酒を詠む

ワインエキスパートの悠です。
30歳で小さいワインのネットショップを起業、現在運営中です。
ブログにはワインに限定せず、日々飲んだ酒をアップしていきます。

ブログ名は【いっしょういちえい】と読みます。
一杯の酒を飲みながら、一つの詩を歌うことです。
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タグ:2006

Spaetburgunder Weisherbst Qualitaetswein 2006
Weingut Meyer-Nakel
シュペートブルグンダー・ヴァイスヘルプスト 2006年
マイヤー・ネーケル
【2014年9月1日】

マイヤー・ネーケル_500

■テイスティングコメント
【外観】
明るく透明感のある淡い茜色。


【香り】
甘酸っぱいイチゴのアロマが鼻腔をくすぐる。
控えめで、それでいて繊細な香りがグラスからこぼれる。


【味わい】
伸びやかなミネラルが、ワインをフレッシュに保っている。
酸味とミネラル由来のコクがワインの骨格を形成している。


【イメージ】
外観と香りから、儚げでセピア色のような印象を受けます。
豊かなミネラル感が鉄と錆を彷彿とさせるので、例えるなら夕方の教会のような印象。

外は夕焼けで教会の中は薄暗く、錆びた鉄の香り、湿った土の香りが立ち昇り、空気はひんやりしている。
ステンドグラスから、淡く蒼い光が漏れており、厳かで涼やか、途方もない時間を感じる。

イメージは、ゴシック建築のケルン大聖堂。

"綺麗"は時間とともに劣化していくが、"美しい"は時間の経過とともに洗練されていくもの。

今を見て、昔を空想して思わず当時を見たくなるような、切なくなる感じです。

今(フレッシュ感)と昔(熟成感)が見事に一つになっているバランスの良いロゼワイン。

マイヤー・ネーケルimg_500

■概要
ヨーロッパワイン産地の北限、アール地方の著名な醸造所。
ドイツのバリック醸造の先駆者であり、赤ワインの名手。
ヴァイスヘルプストとは特定地域、単一品種使用、QbA以上で造られるロゼワイン。

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Riesling 2006 Marcel Deiss
リースリング 2006年 マルセル・ダイス
【2014年8月9日】


リースリング_500

■テイスティングコメント
【外観】
アルザス・ブランより濃縮感のあるレモンイエロー。


【香り】
グラスに注ぐと柑橘系のアロマと、クラシカルなぺトロールが香る。


【味わい】
口に含むと、フレッシュな酸味を感じ、ミネラリー。
甘くはなくドライな仕上がり。


【イメージ】
ドライな印象から、飲んで真っ先に浮かぶイメージは、荒廃した畑、水気はない。
岸壁に砂嵐が吹き抜け、その風に乗り大鷹が高度を上げる。
切り立った崖で羽を休める気高い大鷹のような孤高のワインです。


リースリングimg_500

■概要
2005年ヴィンテージ以降、サン・イポリットとベブランハイムをブレンドしている。
サン・イポリット:1.8ha。平均樹齢25年。砂質、花崗岩質主体の軽めの乾燥土壌。花崗岩に由来する酸とミネラルがしっかりとした構造を持つワインを生むテロワール。特にリースリングとゲヴュルツトラミネールに向く。
ベブランハイム:2ha。平均樹齢20年。古代には海岸であり、500~600メートルに及ぶ海洋微生物と砂礫質層が基盤で、表土は軽い石灰岩質。この土壌は水捌けと保熱性が良く、高い酸と豊かなコクが得られる。


所在村:Bergheim
醸造家:Jean-Michel Deiss
所有畑面積:26ha
ドメーヌ継承年:1975年
栽培における特記事項:ビオディナミ(1997年ECOCERT認証、2007年demeter認証)。クローン樹を極力使用しない 。
醸造における特記事項:平均収量は33hl/hl(全アルザスの平均は78.80hl/ha)。白は除梗せず、赤は約80%除梗する。天然酵母のみで発酵。赤は木製開放槽、白は大樽で発酵。シュール・リー熟成。


ジャン・ミッシェル・ダイスは、アルザスに初めて「テロワール」の概念を持ち込み、AOC法の改正(ラベルに品種名を表記しなくてもよくなったこと等)を成し遂げた。
現在も彼が昔から提唱する、畑の個性に基づく「プルミエクリュ」を実現させるべく運動を続けている。


「ぶどうの樹は、自ら養分を求めて根を土中に伸ばします。この土中深くにあるものがその土地のテロワールです。ここは気候の影響もほとんど受けません。根が地表に留まると気候の影響をモロに受け、土地の個性は失われてしまいます。僕のワインは、例えば酷暑だった2003年も、濃さは例年と変わりませんでした。ビオディナミも、このテロワールを引き出すための手段に過ぎません。」
「また今日、アルザスのほとんどの畑で同じクローンばかりが植えられるようになりました。その結果、どのワインを飲んでもクローンの個性の味しかしなくなりました。アルザスの土壌は、太古の地殻変動に由来する極めて複雑で多様なものです。個々の土地の強烈な個性をそのままワインに表現することが、僕の人生です」
「何かを良くしようと思ったら、それは愛によってのみ可能だ」

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Vin d'Alsace Blanc 2006 Marcel Deiss
ヴァン・ダルザス・ブラン 2006年 マルセル・ダイス
【2014年8月9日】


ヴァン・ダルザス・ブラン_500

■テイスティングコメント
【外観】
明るいレモンイエロー。
黄金の雫のような印象。


【香り】
リンゴの蜜のような甘酸っぱい香りが辺りを包む。


【味わい】
口に含むと、控えめながらも、優しい果実味が広がる。
ダイスの底辺ながらも高品質で、癒し系の味わい。


【イメージ】
頬を爽やかでフローラルな風が吹く。
それは、触れようとすると逃げるけど、気が付くと傍らに寄り添ってくれている。
派手ではないけど、その実、存在は光そのもの。
外界に遊びに来た智天使ケルプの化身、プット(子供の天使)。
距離は近くても決して交わることのない眩い灯火。

このワインは、まさに、”天使の気まぐれ”。

ヴァン・ダルザス・ブランimg_500

■概要
葡萄品種:地元ベルグハイムの各品種畑区画のブレンド。
ピノ・ブラン、リースリング、ゲヴュルツトラミネールが70%、ピノ・ノワール、ピノ・グリ、ミュスカ、シルヴァネールが30%。平均樹齢20年。

所在村:Bergheim
醸造家:Jean-Michel Deiss
所有畑面積:26ha
ドメーヌ継承年:1975年
栽培における特記事項:ビオディナミ(1997年ECOCERT認証、2007年demeter認証)。クローン樹を極力使用しない。
醸造における特記事項:平均収量は33hl/hl(全アルザスの平均は78.80hl/ha)。白は除梗せず、赤は約80%除梗する。天然酵母のみで発酵。赤は木製開放槽、白は大樽で発酵。シュール・リー熟成。

ジャン・ミッシェル・ダイスは、アルザスに初めて「テロワール」の概念を持ち込み、AOC法の改正(ラベルに品種名を表記しなくてもよくなったこと等)を成し遂げた。
現在も彼が昔から提唱する、畑の個性に基づく「プルミエクリュ」を実現させるべく運動を続けている。

「ぶどうの樹は、自ら養分を求めて根を土中に伸ばします。この土中深くにあるものがその土地のテロワールです。ここは気候の影響もほとんど受けません。根が地表に留まると気候の影響をモロに受け、土地の個性は失われてしまいます。僕のワインは、例えば酷暑だった2003年も、濃さは例年と変わりませんでした。ビオディナミも、このテロワールを引き出すための手段に過ぎません。」
「また今日、アルザスのほとんどの畑で同じクローンばかりが植えられるようになりました。その結果、どのワインを飲んでもクローンの個性の味しかしなくなりました。アルザスの土壌は、太古の地殻変動に由来する極めて複雑で多様なものです。個々の土地の強烈な個性をそのままワインに表現することが、僕の人生です」
「何かを良くしようと思ったら、それは愛によってのみ可能だ」

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