一觴一詠 酒を詠む

ワインエキスパートの悠です。
30歳で小さいワインのネットショップを起業、現在運営中です。
ブログにはワインに限定せず、日々飲んだ酒をアップしていきます。

ブログ名は【いっしょういちえい】と読みます。
一杯の酒を飲みながら、一つの詩を歌うことです。
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タグ:1990

Brauneberger Juffer-Sonnenuhr Riesling Auslese Goldkapsel 1990
Weingut Fritz Haag
ブラウネベルガー・ユッファー・ゾンネンウアー リースリング アウスレーゼ ゴールドカプセル 1990年 競売会ボトル
フリッツ・ハーク
【2014年10月24日】

フリッツ・ハーク1990_500

■テイスティングコメント
【外観】
濃く透明感のあるゴールドイエロー。
深く落ち着いた黄色は、明る過ぎず、そして地味ではない色。


【香り】
熟したカリンや黄色い花のアロマ。
91年のシュペートレーゼは高山の花のイメージだったが、こちらはもっと身近な農村に自生する野花のようで、前者よりワインの重心が低い。
淡いペトロール(リースリング特有の重油香)は両者とも同様に感じる。
これは生産者の個性かもしれない。


【味わい】
アウスレーゼでありながら控えめな甘さと酸味はエゴンに通じるバランスの良さ。
ワインだけ飲んでいても疲れてこない、むしろ疲弊しているときに飲むと癒やしになりそうな優しいワイン。
余談だが、そこまで甘くしないスタイルはオリヴァー氏にも引き継がれているとのこと。


【イメージ】
黄昏時に響くのは鐘の音。
村に一つしかない教会の前で催される秋の収穫祭。
冬がそこまで来ている、静寂の前の大切なひと時。
華やかだが、どこか終わっていきそうな儚げな感じ。
静かに朽ちていく過程を美しく思わせる。
それでいて、その先の春にまた希望を抱かせてくれるようなワイン。
"ドヴォルザーク ユーモレスク 変ト長調 Op101 第7番"が聴こえてくる感じです。


過去にエゴンを飲む機会が二回あり、一回目は過去と未来、二回目は常世と現世を感じました。
どちらも時間、時空の概念でありながら、その実は時間に縛られず、永遠に近いスケール感を表現するために用います。
エゴンと似ていると表現したこのワインは、性質は似ていましたが、本質は違いました。
決して永遠ではなく終わりがあるということ。
その美しく思わせる終わり方に生産者の実力が垣間見える気がします。

フリッツ・ハーク1990img_500

■概要
1605年創業のフリッツ・ハークはエゴンに並ぶ生産者として名高い。
現オーナーのオリヴァー氏はナーエのデンホフ(1750年から家族経営で続く老舗)で経験を積み、その後、南アやオーストリアで修業した。
過去に日本にも訪れており、和食とドイツワインが合うと感じたそうで、事実この日のワイン会の和食とのマリアージュは最高でした。
(この日のワインはオリヴァー氏ではないですが)

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Erdenar Pralat 1990 Auslese Goldkapsel
Elizabeth Cristffel-Berrs
エルデナー・プレラート 1990年 アウスレーゼ ゴールドカプセル
エリザベート・クリストフェル・ベレス
【2014年8月7日】

エルデナー・プレラート_500

■イメージ
ワインを飲むと、大抵何かイメージが浮かびます。
風景、人物、植物、(動物は確率的には低い)、更に入るとストーリーが浮かびます。

まず季節から始まり、朝昼夕の時間帯へ繋がり、そこから景色や人が視えることが多いのですが、今回のワインは難解でした。
季節がはっきりしない、風景や人物は見えない、なのにポテンシャルが低いわけでは決してない。

イメージできたのは、”黄色”という色彩情報だけした。
勿論、柑橘系のアロマに例えることも出来ましたが、それも身体からシックリきません。
リースリング的に、天空か大地かと聞かれれば、前者に属しますが、それもはっきりしません。

あくまでも”黄色”、なら今回は黄色から逆算してみることにしました。
四季のイメージで黄色は夏に属することが多いようです。
なら、このワインのイメージは夏なのでしょう。
では、1990年のドイツはどうだったのか。
チャートでは秀逸な年となっているので、おそらく例年より夏季は暑かったようです。

イメージからの逆算で、今回のワインを表現します。

このワインは、1990年のドイツの夏そのもの。
物凄いパワーで、その他の情報が上書き(一面黄色)されてしまうくらい。
この頃のドイツは歴史的にも重要な年だが、これは上書きの理由にはなりえないでしょうか。
そう言えば国旗にも黄色(金)が入っていますね。

飲んでみて不思議なパワーを頂きました。

エルデナー・プレラートimg_500

■概要
設立:1967年にカール・エルベスが設立
オーナー:シュフテファン・エルベス(1970年生)
葡萄畑:5ha ユルツィガー・ヴュルツガルテン、エルデナー・トレプヒェン(0.3ha)、エルデナー・プレラート
スレート(灰色と青)が80%、赤い岩が20%
葡萄:接木をしていないリースリングが100%、多くが古木で70~80年樹齢が最高齢
栽培:肥料は土壌の検査に基づき、毎年違った成分を補充。石灰、葡萄の搾りカス、木の皮、家畜の糞など、有機肥料を使用。


所有する葡萄畑が非常に急斜面なので、耕作や収穫など殆どが手作業だ。
息子で現当主のシュテファンは、注意深い葡萄の選別により、ゴールトカプセルまでの異なったレベルのアウスレーゼを造りを目指している。
これまでは澱引きのため樽移しをしていたが、これを新たに瓶詰の2週間前まで澱と寝かせるようにした。
フィルターにかける手間が数倍大変になるが、ワインがストレスを感じなくなり、澱がアロマをもたらす。

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Kiedricher Grafenberg Riesling Trockenbeerenauslese 1990 Weingut Robert Weil
キートリッヒャー・グレーフェンベルク リースリング・トロッケンベーレンアウスレーゼ 1990年
ロバート・ヴァイル
【2014年7月6日】

リースリング・トロッケンベーレンアウスレーゼ_500

■イメージ
ゲオルグ・ブロイヤーに続いて、こちらも熟成甘口リースリング。
こちらはトロッケンベーレンアウスレーゼ。

ゲオルグ・ブロイヤーは世界樹を彷彿させる大地のリースリングでしたが、こちらは天空のリースリングでした。
抜けるような青空ではなく、空気の薄い高山から眺めたような澄んだ星空。

熟成期間と反比例するようなフレッシュな酸味と、厳かな深い甘味。
測り知れない領域がどこか宇宙を連想させます。

人生最期に飲むなら、こんなワインが良いです。

リースリング・トロッケンベーレンアウスレーゼimg_600

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