一觴一詠 酒を詠む

ワインエキスパートの悠です。
30歳で小さいワインのネットショップを起業、現在運営中です。
ブログにはワインに限定せず、日々飲んだ酒をアップしていきます。

ブログ名は【いっしょういちえい】と読みます。
一杯の酒を飲みながら、一つの詩を歌うことです。
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タグ:無濾過

香取 純米90 720ml 寺田本家 ※無濾過自然酒
【2017年1月9日】

純米90香取
純米90香取2

■テイスティングコメント
外観は鮮やかな琥珀色で、通常の日本酒よりも深い色合いを呈す。
スワリングすると、穏やかで力強い米の香りと、ニスのような刺激的な香りを放つ。
口に含むと、第一印象は糠(ぬか)のニュアンスで、酸味と苦味を等しく感じ、飾りっ気のない米そのものの酒質だ。

これらは、人的関与を廃し(精米歩合90、生もと、無濾過、無農薬など)、自然との調和を目指した結果であろうが、飲み手を選ぶ味である。
ただ、飲んでいくうちに、この個性に魅了され、米、水、微生物の声、そして蔵元の信念を聞くことができるようになるだろう。
それこそが、寺田本家の願いでもある。


個性的な一本だが、酒好きにこそお勧めしたい通向けの酒。


■概要
産地:千葉県香取郡神崎町/寺田本家
酒米:コシヒカリ
米の栽培方法:無農薬
アルコール:15度
精米歩合:90%
日本酒度:+5
酸度:2.6
アミノ酸度:2.1
麹菌:自家培養
酵母:無添加
仕込み水:蔵内の井戸水(浄水器エリクサーを通し、電子をチャージして分子集団の小さな水にし使用。微生物たちの生命力を高める)


江戸時代の延宝年間(1673~1681)に近江国(滋賀県)から移住して、現在の神崎で創業した。
以来300年以上になり、酒造制度や流通の変革、恐慌、震災、戦争、火落菌による腐造などの困難を乗り越え、日本酒離れが進み市場が停滞している中で、独創的な経営哲学による本来の酒造りを実践している。
「自然の原点に戻って酒造りをしたい」という信念のもと、自然との調和を目指して、一本の酒を通して自然の恵みと心の豊かさを発見してもらうため、自然酒「五人娘」、「香取」を醸造する。
現在は無農薬、無添加、全量生もと造りで寺田本家ならではのお酒を醸し出している。

これらの信念は、23代目の寺田啓佐氏が、過去に大病を患った際に、反自然物や不調和の積み重ねが心身のバランスを崩し、病気にもなっていることに気づいた経験から構築されている。

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寒梅 本醸造無濾過生原酒 720ml(2016年11月)
【2017年4月17日】

寒梅本醸造無濾過生原酒2_550

■テイスティングコメント
透明感はあるが、ややイエローに見える。
熟したマスクメロンや貴腐ワインの香りなど、華やかなフルーツ香が溢れる。
口に含むと、メロンにかぶりついたようなジューシーな果実味(旨味)。
追随するのは、滑らかな口当たりと、まろやかなコク。
丸みを帯びた骨格を感じ、一本通ったミネラリーな余韻へと続く。

酒名のイメージ通り、咲き誇った梅のように華やかな良い酒です。


寒梅本醸造無濾過生原酒img2_550

■概要
産地:埼玉/寒梅酒造
酒米:五百万石100%
精米歩合:65%
日本酒度:±0
酸度:1.4
仕込み水:甘棠院の井戸水(中軟水)


創業は江戸後期の文政4年(1821年)、武蔵の国、久喜で鈴木平兵衛が酒造りを開始。
久喜は関東平野のほぼ中心に位置し、米などの農作物に恵まれており、名刹甘棠院の裏山より、酒造りに適した仕込み水にも不自由しなかった。
鈴木家の出身は近江商人、日本三大商人の一つであり、現社長は七代目である。


寒梅の由来は蔵元サイトから抜粋。


★清酒「寒梅」の由来
漢詩の一説『魁春開雪中』(ハルニサキガケテセッチュウニヒラク)より。
雪中に咲く寒梅は万花の魁(サキガケ)をなすもので先取りであり先駆者である。
また、毅然として清楚、意志が強く忍耐強い気品に満ちた花・・・。

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