ムーラン・ナ・ヴァン 2001年 オリヴィエ・メルラン
Moulin-a-vent 2001 Olivier Merlin
【2014年11月18日】

ムーラン・ナ・ヴァン_500

■テイスティングコメント
【外観】
褐色がかった濃いルビー。
深い色でグラスの底は濁っているが、これはノンフィルターのため。


【香り】
第三アロマを表すドライフルーツのニュアンス。
熟成感を出しながらも、ザクロのようなフレッシュな香りも同時に感じる。
果実の香りの後にタバコの葉のような熟成度を表すアロマが鼻腔を抜ける。


【味わい】
アタックは、強い酸味と、ふくよかなタンニン(渋味)。
フィニッシュは綺麗に消え、嫌味無く身体に染み込まれていく。
ヌーヴォーのガメイに慣れている方々に飲んで頂きたい重口のガメイ。


【イメージ】
私がガメイに持つイメージは、ポジティブで陽の品種。
しかし、こちらのワインを飲んで、まず浮かんだイメージは、闇と闇の中に灯る光。
生命力に満ち溢れた緑の森林ではなく、秋の終わりから冬にかけての雑木林を連想したのは熟成感からです。
重心が低く重いワイン。


冬の深い闇に向かっていく。
しかし、その中に光もある。


冬の季節は"ヴィンテージ"、もしくは"土壌"を、光は"品種の性格"を表しているのかもしれません。
対極の性質を同時に体現しているワインを造る生産者は何か抜けているものがあると解釈しています。


ムーラン・ナ・ヴァンimg_500

■概要
当主は、ジュラとカリフォルニアで修業を積み、マコネ地区で最良のテロワールと名高いドメーヌを1987年に購入。
マコン、サン・ヴェラン以外は契約栽培。
化学肥料、除草剤を一切使用せず、野生酵母で発酵、ノンフィルター。

ムーラン・ナ・ヴァンとは、10あるクリュ・ボージョレの一つであり、"風車"を意味する。
1936年にAOCを取得し、長期間の熟成に耐えうるワインを産出する。
因みにAOC制定は1935年。