一觴一詠 酒を詠む

ワインエキスパートの悠です。
30歳で小さいワインのネットショップを起業、現在運営中です。
ブログにはワインに限定せず、日々飲んだ酒をアップしていきます。

ブログ名は【いっしょういちえい】と読みます。
一杯の酒を飲みながら、一つの詩を歌うことです。
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タグ:ブルゴーニュ

Chambolle Musigny 1996 Domaine George Roumier
シャンボール・ミュジニー 1996年 ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエ
【2017年2月16日】

ルーミエ_550

ダウニー3_550

■テイスティングコメント
【外観】
明るくて透明感のあるガーネット色。
ワインの涙はサラサラしており、グラスの底は霞んで見える。

【香り】
甘酸っぱいラズベリーや、芳醇なブルーベリーのアロマが漂う。
豊かな果実香と共に、シナモン、クローヴ等のスパイス香も感じる。

【味わい】
口に含むと、豊かな酸味と、ゴツゴツしたタンニンが広がる。
濃厚で凝縮感があるが、骨格の印象はエレガントで繊細。
野生的な荒々しさと気品を併せ持つ隙のない印象。
対照的な要素が存在している複雑な造り。

【イメージ】
畑や農夫、生産者の汗と涙が透けて見えそうな一本。
無骨だが、真摯な情熱を感じる純朴なワイン。
エレガントと評価されているワインですが、決して華やかな世界観ではなく、実直で仕事熱心な初老の男性をイメージしました。

ルーミエimg_550

■概要
ブルゴーニュでもトップクラスの人気を誇るこのドメーヌの当主はクリストフ・ルーミエであり、シャンボール・ミュジニーに本拠を置く。
1924年にクリストフの祖父、ジョルジュが設立し、0.1haのミュジニーはドメーヌ創設時からジョルジュが賃貸耕作していた区画を、1978年になってようやく父のジャン・マリーが買い取ったものである。


醸造においては2003年に選果台を導入し、畑での選果に加え、醸造所でも葡萄の選別が行われるようになった。
発酵容器は1998年までは木製開放桶だったが、2009年以降はほぼ100%ステンレスタンクに切り替わっている。
通常、除梗率は75%で25%の梗を残すが、2009年のような暑い年は敢えて50%残すことでワインにフレッシュ感を与えている。
ミュジニーは収穫量が少ないため、嵩を上げるために100%全房で醸造し、12〜13度で6日ほどの低温マセレーション、自然発酵している。
計16ヶ月の樽熟成を施すが、ミュジニーは澱引き時に古樽に移し替え、樽香が付き過ぎることを避けている。

ミュジニーに限らず、全体的に新樽率が低いのは、テロワールを体現するためである。
前に述べた信念のもと、化学薬品、化学肥料、除草剤の使用を廃止をしており、清澄、濾過も行わず、そのワインのポテンシャルを引き出している。

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Chablis 1er Cru La Forest 1997 Vincent Dauvissat
シャブリ プルミエ・クリュ ラ・フォレ 1997年
ヴァンサン・ドーヴィサ
【2017年2月16日】

ドーヴィサ3_550

ドーヴィサ4_550

■テイスティングコメント
【外観】
深いゴールドイエローで褐色がかっている。
グラスを伝うワインの涙の粘度は中程度。

【香り】
グラスに注ぐと、爽やかなレモン(皮寄り)のアロマがこぼれる。
背景にヨーグルトのようなニュアンスも感じ取れる。

【味わい】
口いっぱいにミネラル感と塩味が広がる。
熟成感の割にはフレッシュで、相反する要素が共存している。
芳醇な果実味の面影を感じ華やか。

【イメージ】
レ・クロ96より重心が高いので大地よりは空を、塩味から海を連想する。
乾いた風は感じず、春のような明るいワイン。

ラフォレimg

■概要
1920年代にヴァンサンの父、ルネによって設立されたドメーヌ・ヴァンサン・ドーヴィサは、ドメーヌ・フランソワ・ラヴノーとともにシャブリの双璧と言われている。
双方ともにシャブリの伝統を引き継いだ古典的な古樽を使用する生産を行っており、使用する樽は殆どが古樽で新樽率は少ない。

1989年ヴァンサンが当主となり、今のドメーヌ・ヴァンサン・ドーヴィサとなり、1998年に3haの区画で実験的にビディナミ農法を始め、2002年より全ての畑に適応した。
これにより、土壌バランスが改善され、病気が減る効果を得たという。

12haの畑を所有し、プルミエ・クリュ6ha、グラン・クリュ2.7ha。
プルミエ・クリュであるラ・フォレは4.53haでドメーヌ最大の面積をもつクリマであるため、区画が分散しており、品質が安定しない。
故にアッサンブラージュするのだが、それによって複雑味が生まれ、完成度の高いワインになると彼は言う。

極力人的介入を避け、自然な醸造が行われており、手摘みで収穫後、一部はエナメル加工したステンレス・タンクを使用、残りは古樽を使用して発酵。
ワインに熟成中の呼吸を促すために、常に樽を用いて熟成を行っている。
使用する樽はラヴノー同様シャブリ地区で伝統的に使われていたフイエットと呼ばれる小樽で、6〜8ヶ月熟成を行う。

2003年からイランシーで畑を賃貸耕作し、赤ワインにもチャレンジしている。
赤い果実のアロマが華やかなチャーミングなワインに仕上がっている。

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Chablis Grand Cru Les Clos 1996 Vincent Dauvissat
シャブリ グラン・クリュ レ・クロ 1996年 ヴァンサン・ドーヴィサ
【2017年2月16日】

ドーヴィサ_550

ドーヴィサ2_550

■テイスティングコメント
【外観】
深い褐色がかった麦わら色を呈し、表面には艶がある。
グラスを伝うワインの涙の粘度は中程度。

【香り】
栗の皮やレモンの皮のような香りに磯、ハチミツ、キャラメルの甘い香りが混ざり合っている。
多少、酸化熟成させたようなランシオ的なニュアンスもある。

【味わい】
口に含むと豊かなミネラル感と塩味が広がる。
酸が強いだけではなく、苦味を伴うコクがフィニッシュを引き締める。

【イメージ】
塩味と渇きから、かつては海だった広大な大地と吹き抜ける風をイメージする。
どこか儚げで、それでいて力強い。古き伝統の礎を感じるワイン。
★Chablis 1er Cru Mntee de Tonnerre 2004 Francois Raveneau
シャブリ プルミエ・クリュ モンテ・ド・トネル 2004年  フランソワ・ラヴノー

※過去にこちらのワインを飲んだ際は、海に浮かんだモン・サン・ミッシェルと死を連想しました。
歴史的建造物を見て、そこはかとなく感じる虚無感のような印象は共通点かもしれません。

ドーヴィサ96img

■概要
1920年代にヴァンサンの父、ルネによって設立されたドメーヌ・ヴァンサン・ドーヴィサは、ドメーヌ・フランソワ・ラヴノーとともにシャブリの双璧と言われている。
双方ともにシャブリの伝統を引き継いだ古典的な古樽を使用する生産を行っており、使用する樽は殆どが古樽で新樽率は少ない。

1989年ヴァンサンが当主となり、今のドメーヌ・ヴァンサン・ドーヴィサとなり、1998年に3haの区画で実験的にビディナミ農法を始め、2002年より全ての畑に適応した。
これにより、土壌バランスが改善され、病気が減る効果を得たという。

12haの畑を所有し、プルミエ・クリュ6ha、グラン・クリュ2.7ha。
プルミエ・クリュであるラ・フォレは4.53haでドメーヌ最大の面積をもつクリマであるため、区画が分散しており、品質が安定しない。
故にアッサンブラージュするのだが、それによって複雑味が生まれ、完成度の高いワインになると彼は言う。

極力人的介入を避け、自然な醸造が行われており、手摘みで収穫後、一部はエナメル加工したステンレス・タンクを使用、残りは古樽を使用して発酵。
ワインに熟成中の呼吸を促すために、常に樽を用いて熟成を行っている。
使用する樽はラヴノー同様シャブリ地区で伝統的に使われていたフイエットと呼ばれる小樽で、6〜8ヶ月熟成を行う。

2003年からイランシーで畑を賃貸耕作し、赤ワインにもチャレンジしている。
赤い果実のアロマが華やかなチャーミングなワインに仕上がっている。
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