一觴一詠 酒を詠む

ワインエキスパートの悠です。
30歳で小さいワインのネットショップを起業、現在運営中です。
ブログにはワインに限定せず、日々飲んだ酒をアップしていきます。

ブログ名は【いっしょういちえい】と読みます。
一杯の酒を飲みながら、一つの詩を歌うことです。
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タグ:シャルドネ

Chablis 1er Cru La Forest 1997 Vincent Dauvissat
シャブリ プルミエ・クリュ ラ・フォレ 1997年
ヴァンサン・ドーヴィサ
【2017年2月16日】

ドーヴィサ3_550

ドーヴィサ4_550

■テイスティングコメント
【外観】
深いゴールドイエローで褐色がかっている。
グラスを伝うワインの涙の粘度は中程度。

【香り】
グラスに注ぐと、爽やかなレモン(皮寄り)のアロマがこぼれる。
背景にヨーグルトのようなニュアンスも感じ取れる。

【味わい】
口いっぱいにミネラル感と塩味が広がる。
熟成感の割にはフレッシュで、相反する要素が共存している。
芳醇な果実味の面影を感じ華やか。

【イメージ】
レ・クロ96より重心が高いので大地よりは空を、塩味から海を連想する。
乾いた風は感じず、春のような明るいワイン。

ラフォレimg

■概要
1920年代にヴァンサンの父、ルネによって設立されたドメーヌ・ヴァンサン・ドーヴィサは、ドメーヌ・フランソワ・ラヴノーとともにシャブリの双璧と言われている。
双方ともにシャブリの伝統を引き継いだ古典的な古樽を使用する生産を行っており、使用する樽は殆どが古樽で新樽率は少ない。

1989年ヴァンサンが当主となり、今のドメーヌ・ヴァンサン・ドーヴィサとなり、1998年に3haの区画で実験的にビディナミ農法を始め、2002年より全ての畑に適応した。
これにより、土壌バランスが改善され、病気が減る効果を得たという。

12haの畑を所有し、プルミエ・クリュ6ha、グラン・クリュ2.7ha。
プルミエ・クリュであるラ・フォレは4.53haでドメーヌ最大の面積をもつクリマであるため、区画が分散しており、品質が安定しない。
故にアッサンブラージュするのだが、それによって複雑味が生まれ、完成度の高いワインになると彼は言う。

極力人的介入を避け、自然な醸造が行われており、手摘みで収穫後、一部はエナメル加工したステンレス・タンクを使用、残りは古樽を使用して発酵。
ワインに熟成中の呼吸を促すために、常に樽を用いて熟成を行っている。
使用する樽はラヴノー同様シャブリ地区で伝統的に使われていたフイエットと呼ばれる小樽で、6〜8ヶ月熟成を行う。

2003年からイランシーで畑を賃貸耕作し、赤ワインにもチャレンジしている。
赤い果実のアロマが華やかなチャーミングなワインに仕上がっている。

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Chablis Grand Cru Les Clos 1996 Vincent Dauvissat
シャブリ グラン・クリュ レ・クロ 1996年 ヴァンサン・ドーヴィサ
【2017年2月16日】

ドーヴィサ_550

ドーヴィサ2_550

■テイスティングコメント
【外観】
深い褐色がかった麦わら色を呈し、表面には艶がある。
グラスを伝うワインの涙の粘度は中程度。

【香り】
栗の皮やレモンの皮のような香りに磯、ハチミツ、キャラメルの甘い香りが混ざり合っている。
多少、酸化熟成させたようなランシオ的なニュアンスもある。

【味わい】
口に含むと豊かなミネラル感と塩味が広がる。
酸が強いだけではなく、苦味を伴うコクがフィニッシュを引き締める。

【イメージ】
塩味と渇きから、かつては海だった広大な大地と吹き抜ける風をイメージする。
どこか儚げで、それでいて力強い。古き伝統の礎を感じるワイン。
★Chablis 1er Cru Mntee de Tonnerre 2004 Francois Raveneau
シャブリ プルミエ・クリュ モンテ・ド・トネル 2004年  フランソワ・ラヴノー

※過去にこちらのワインを飲んだ際は、海に浮かんだモン・サン・ミッシェルと死を連想しました。
歴史的建造物を見て、そこはかとなく感じる虚無感のような印象は共通点かもしれません。

ドーヴィサ96img

■概要
1920年代にヴァンサンの父、ルネによって設立されたドメーヌ・ヴァンサン・ドーヴィサは、ドメーヌ・フランソワ・ラヴノーとともにシャブリの双璧と言われている。
双方ともにシャブリの伝統を引き継いだ古典的な古樽を使用する生産を行っており、使用する樽は殆どが古樽で新樽率は少ない。

1989年ヴァンサンが当主となり、今のドメーヌ・ヴァンサン・ドーヴィサとなり、1998年に3haの区画で実験的にビディナミ農法を始め、2002年より全ての畑に適応した。
これにより、土壌バランスが改善され、病気が減る効果を得たという。

12haの畑を所有し、プルミエ・クリュ6ha、グラン・クリュ2.7ha。
プルミエ・クリュであるラ・フォレは4.53haでドメーヌ最大の面積をもつクリマであるため、区画が分散しており、品質が安定しない。
故にアッサンブラージュするのだが、それによって複雑味が生まれ、完成度の高いワインになると彼は言う。

極力人的介入を避け、自然な醸造が行われており、手摘みで収穫後、一部はエナメル加工したステンレス・タンクを使用、残りは古樽を使用して発酵。
ワインに熟成中の呼吸を促すために、常に樽を用いて熟成を行っている。
使用する樽はラヴノー同様シャブリ地区で伝統的に使われていたフイエットと呼ばれる小樽で、6〜8ヶ月熟成を行う。

2003年からイランシーで畑を賃貸耕作し、赤ワインにもチャレンジしている。
赤い果実のアロマが華やかなチャーミングなワインに仕上がっている。
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Chablis 1er Cru Mntee de Tonnerre 2004 Francois Raveneau
シャブリ プルミエ・クリュ モンテ・ド・トネル 2004年 フランソワ・ラヴノー
【2014年9月3日】

モンテ・ド・トネル_500

■テイスティングコメント
【外観】
褐色がかったゴールドイエロー。


【香り】
香りのアタックで、ヨード香を感じる。
実際にシャブリからここまで強い磯の香りを感じたのは初体験。
本当に海を感じる。


【味わい】
アタックは塩味を伴う凄まじいミネラル感。
鼻から抜ける第三アロマである栗の皮のようなニュアンスは高級の証。
仄かにバックにレモンを感じ、素晴らしい凝縮感(ポテンシャル)を持つ。


【イメージ】
潮の要素と確かな伝統から、海に浮かぶ、モン・サン=ミシェルをイメージしました。


トンボロ現象によって繋がるエンジェルロード。
引き潮によって沖まで引いた波が一気に押し寄せ、かつては多くのカトリック巡礼者を飲みこんだ死の教会。
大天使ミカエルは何を思うか、続いた道の先は現世か常世か。


どこか死(永遠?)を連想させるワインです。
頂点と言われて素直に頷いてしまいます。

シャブリの世界観が変わった一本です。

モンテ・ド・トネルimg_500

■概要
世界最高峰のシャブリの造り手、フランソワ・ラヴノー。
特級と一級ばかりだが、2007年からはACシャブリも造り始める。
モンテ・ド・トネルは良質と言われている右岸の一級畑。
通常はステンレス発酵だが、この畑は樽発酵(新樽約10%)。

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