Erdenar Pralat 1990 Auslese Goldkapsel
Elizabeth Cristffel-Berrs
エルデナー・プレラート 1990年 アウスレーゼ ゴールドカプセル
エリザベート・クリストフェル・ベレス
【2014年8月7日】
■イメージ
ワインを飲むと、大抵何かイメージが浮かびます。
風景、人物、植物、(動物は確率的には低い)、更に入るとストーリーが浮かびます。
まず季節から始まり、朝昼夕の時間帯へ繋がり、そこから景色や人が視えることが多いのですが、今回のワインは難解でした。
季節がはっきりしない、風景や人物は見えない、なのにポテンシャルが低いわけでは決してない。
イメージできたのは、”黄色”という色彩情報だけした。
勿論、柑橘系のアロマに例えることも出来ましたが、それも身体からシックリきません。
リースリング的に、天空か大地かと聞かれれば、前者に属しますが、それもはっきりしません。
あくまでも”黄色”、なら今回は黄色から逆算してみることにしました。
四季のイメージで黄色は夏に属することが多いようです。
なら、このワインのイメージは夏なのでしょう。
では、1990年のドイツはどうだったのか。
チャートでは秀逸な年となっているので、おそらく例年より夏季は暑かったようです。
イメージからの逆算で、今回のワインを表現します。
このワインは、1990年のドイツの夏そのもの。
物凄いパワーで、その他の情報が上書き(一面黄色)されてしまうくらい。
この頃のドイツは歴史的にも重要な年だが、これは上書きの理由にはなりえないでしょうか。
そう言えば国旗にも黄色(金)が入っていますね。
飲んでみて不思議なパワーを頂きました。
■概要
設立:1967年にカール・エルベスが設立
オーナー:シュフテファン・エルベス(1970年生)
葡萄畑:5ha ユルツィガー・ヴュルツガルテン、エルデナー・トレプヒェン(0.3ha)、エルデナー・プレラート
スレート(灰色と青)が80%、赤い岩が20%
葡萄:接木をしていないリースリングが100%、多くが古木で70~80年樹齢が最高齢
栽培:肥料は土壌の検査に基づき、毎年違った成分を補充。石灰、葡萄の搾りカス、木の皮、家畜の糞など、有機肥料を使用。
所有する葡萄畑が非常に急斜面なので、耕作や収穫など殆どが手作業だ。
息子で現当主のシュテファンは、注意深い葡萄の選別により、ゴールトカプセルまでの異なったレベルのアウスレーゼを造りを目指している。
これまでは澱引きのため樽移しをしていたが、これを新たに瓶詰の2週間前まで澱と寝かせるようにした。
フィルターにかける手間が数倍大変になるが、ワインがストレスを感じなくなり、澱がアロマをもたらす。