一觴一詠 酒を詠む

ワインエキスパートの悠です。
30歳で小さいワインのネットショップを起業、現在運営中です。
ブログにはワインに限定せず、日々飲んだ酒をアップしていきます。

ブログ名は【いっしょういちえい】と読みます。
一杯の酒を飲みながら、一つの詩を歌うことです。
当ブログの写真や文章等の著作権は全て管理人に帰属しており、無断転載は禁止です。
初めての方はこちらをご参照ください。 ▶当ブログの趣旨

2017年10月

特別純米生貯蔵酒 さんままつり 酔仙酒造 300ml(2017年8月)
【2017年10月9日】
特別純米生貯蔵酒さんままつり4_550
特別純米生貯蔵酒さんままつり_550
特別純米生貯蔵酒さんままつり2_550
特別純米生貯蔵酒さんままつり3_550

■テイスティングコメント
外観は、明るいレモンイエロー。
穏やかにメロンのような果実香が香る。
口に含むと、アタックは水のように透明感のあるフレッシュな酸味。
その酸味に重なるように、苦味を伴うミネラル感を控えめに感じる。
甘ったるくはなく淡麗辛口で綺麗な後味。


儚く消えていく余韻に、美しさを感じます。
春に雪の中から顔を出したスノードロップのように可憐なイメージが浮かびます。

特別純米生貯蔵酒さんままつりimg_550

■概要
産地:岩手/酔仙酒造
酒米:岩手県産米
アルコール:14度以上15度未満
精米歩合:60%
酵母:協会9号
日本酒度:+2.0
酸度:1.5
仕込み水:氷上山の伏流水


岩手県沿岸の最南端(旧気仙郡)に永い伝統を誇る8軒の造り酒屋があり、戦時中の「企業整備令」により8軒が1つにまとまり「気仙酒造」となった。
これが「酔仙酒造」の前身である。
地元の画家、佐藤華岳斎は気仙の酒をこよなく愛し「酔うて仙境に入るが如し」と讃え、その経緯から銘柄を「気仙」から「酔仙」へと改めた。
「良いお酒を造り、それを召し上がったお客様が良い気持ちになる。」というビジョンを目指し、そのための技術と心を人から人へ伝え続ける「美酒伝承」を絶やさぬよう今日も酒を醸している。


※生貯蔵とは
「生」のまま貯蔵し、瓶詰め時に1度だけ火入れをする。

    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

太平山 生もと純米 神月 720ml(2016年12月)
【2017年2月2日】

生もと純米神月_350
生もと純米神月2_550

■テイスティングコメント
吟醸香が穏やかに浮上する。
飲み口の第一印象は、エレガントでしなやかなミネラル感。
雑味は一切なく、透明感のある味わい。
決して薄いわけではなく、比喩するのであれば、水の旨味が口中に広がるようだ。
すっきりとした辛口で、良質な水が喉を通っていき、身体に染み込んでいくように感じる。


白神山地の透明感のある清涼な空気を肌に感じるような一本です。
しなやかな酒質で、清楚な女性を彷彿とさせます。

太平山生もと純米神月img2_550


著作者:ミック

■概要
産地:秋田県潟上市/小玉醸造株式会社
酒米:美山錦100%
アルコール:15度
精米歩合:59%
酵母:協会1701号
仕込み水:白神山地の伏流水(超軟水)
※スローフードジャパン燗酒コンテスト2015 最高金賞受賞


創業は明治12年(1879年)で、小玉久米之助が醤油・味噌の醸造を手がけたことから始まる。
明治40年には事業形態を会社組織に改組し、翌41年には秋田支店を設置するなど、秋田を代表する醤油・味噌醸造元として不動の地位を確立する。
その一方で、大正2年(1913年)からは酒造業にも着手し、地域で知名度のある名峰に由来する「太平山」ブランドの酒を発売した。
太平山は、全国新酒鑑評会など数々の鑑評会で金賞を受賞すると共に、平成五年には全国・東北・秋田と揃ってトップとなる三冠を達成する。
手間暇のかかる生もとや吟醸を主力としたこだわりの酒造りを続ける蔵元として知られている。

    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

木戸泉 総の舞 純米無濾過生原酒 720ml 木戸泉酒造
【2017年1月24日】
木戸泉_450

■テイスティングコメント
外観は淡いイエロー。
香りは穏やかだが、口に含むと、まず感じるのが豊かなミネラル感と、口中を覆い隠す酸味。
生原酒ならではのパワフルな味わいが広がり、後味は切れの良いコクとフレッシュな甘味、追随する旨味。
濃厚で飲みごたえのある個性のある味わい。
 
■概要
産地:千葉県いすみ市大原/木戸泉酒造
酒米:千葉県いすみ市産 総の舞
アルコール:16.5%
精米歩合:65%
酵母:協会7号酵母(近年、華やかな酵母が発見されているが浮気をせず使い続けている)
仕込み水:蔵から5キロほど離れた宮清水という土地の井戸水(中硬水)


1879年(明治12年)に、醤油、味噌、食品等の卸、塩の元売り、漁業等の事業に加えて酒造業を始め、当初の商号は「泉藤」だったが、茨城県に「藤泉」というメーカーがあり、現在の「木戸泉」に改める。
大量生産の高度成長期、調味液で量を増す三増酒のニーズが高まった時代に、防腐剤として使用されていたサリチル酸の危険性に気が付き、防腐剤に頼らず長期間貯蔵できる酒造りに取り組んだ。
「長期間保存してもヘタらない酒造り」へと駆り立てたのは、先代が渡航先の海外で口にした日本酒の味の劣化であり、この先、日本酒が国外で認められるためにも、船便による長期輸送に耐える酒造りを目指したという。
その経緯で、昭和31年から高温山廃モトを導入し、その10年後には成功する。
日本酒も古酒として熟成を重ねることができるようになり、一番古いもので40年を超す古酒が今も熟成を重ねている。
そして50年以上、天然の乳酸の可能性を追求し続け、健康や安全・個性をテーマに掲げて挑む『旨き良き酒づくり』をモットーに今日も醸造を続けている。


※高温山廃モトとは
天然の生の乳酸菌を用いて高温で酒母を仕込む高温山廃酛で、麹菌・乳酸菌・酵母菌の3つの菌がのびのび発酵する酒母造りの手法。
通常8℃のところを、55℃の高温で仕込んでいる。
これは、麹菌がデンプンを糖化する最適温度であり、大抵の雑菌は死滅する。

    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

このページのトップヘ