一觴一詠 酒を詠む

ワインエキスパートの悠です。
30歳で小さいワインのネットショップを起業、現在運営中です。
ブログにはワインに限定せず、日々飲んだ酒をアップしていきます。

ブログ名は【いっしょういちえい】と読みます。
一杯の酒を飲みながら、一つの詩を歌うことです。
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2017年04月

純米酒 月の輪 ぎんおとめ80 限定品 720ml(2016年10月)
【2017年4月23日】

月の輪純米酒ぎんおとめ2_550

■テイスティングコメント
外観は微かにグリーンがかったイエロー。
バナナや、メロン、香ばしい栗の皮のような香りがある。
精米歩合の高さ故に、米の香りがストレートに香る。
口に含むと、芳醇で濃厚な米の旨味が広がる。
バナナをかじった時に感じるような優しい酸味とミネラル感から、まろやかな苦味へと繋がる。
包み込まれるような口当たり、丸みを帯びた癒し系の辛口で雑味は一切なし。
※私が飲んだものは半年熟成されておりますので、瓶詰め直後ですと印象は変わるでしょう。


どことなく女性の面影を感じ、原始的ながら洗練されている味わいから神秘的な印象を受けます。

 月の輪純米酒ぎんおとめimg2_550

■概要
産地:岩手/月の輪酒造店
酒米:ぎんおとめ100%
アルコール:15度
精米歩合:80%
酵母:協会701号、ゆうこの想い
仕込み水:蔵の井戸水


横沢家はもともとは麹屋の家系だったが、4代目が酒造りへの情熱に燃え、1886年に酒造業を開始する。
1991年より現蔵元(横沢家7代目)の横沢大造氏が当主と杜氏を兼ねていたが、2005年に法人化し、横沢裕子女史が杜氏となる。
「企業としてではなく 家業として」という理念を持ち、常に伝統の継承と技術の革新を目標に掲げているため、酒造りには不向きであるもち米を100%使用した純米酒の製造や、焼酎、米麹ジェラート製造(アイスクリームガーデン営業)にも取り組むなど新しい事に挑戦し続けている。


※「月の輪」の由来
昔、酒蔵の近くにある蜂神社に源頼義、義家父子が厨川の柵に安部貞任を攻略に来た際に軍団を宿営させ、兵士兵馬の飲料を得るために池を掘ったが、ある日の夜、偶然その池に源氏の旗に描かれた日月が映り黄金色に輝いたという。
これを見た将軍頼義は好機と捉え、攻め入り厨川を陥落させる。
後に、その吉兆の話を聞いた陸奥守鎮守府将軍藤原秀衡が、池を円形に修理しその中に太陽と三日月を模した島を造り、それは現在にも残されている。
これを「月の輪形」と呼び、現在まで伝えられており、紫波町の史跡にも指定されている。

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今錦 特別純米酒 おたまじゃくし ひやおろし 720ml (2016年9月)
【2017年4月20日】

今錦 特別純米酒 おたまじゃくし ひやおろし2_550
今錦 特別純米酒 おたまじゃくし ひやおろし3_550

■テイスティングコメント
外観は、透明感のある淡いイエロー。
若干、熟成の色合いを呈す。
香りは非常に静かで、酸を感じる香りから熟れたリンゴやヨモギのような印象を受ける。
口に含むと、穏やかだがしっかりとしたコクを感じる。
ミネラリーな酸と苦味を伴う旨味が口中に広がり、フィニッシュの切れは良く、二日目になると甘味や旨味が増す。


ハーブのような香りと浮上してくる酸が特徴です。
早朝の朝顔のような、どこか懐かしいセピア色の夏のような純米酒です。

今錦 特別純米酒 おたまじゃくし ひやおろしimg_550

■概要
産地:長野/米澤酒造
酒米:長野県産美山錦100%(標高約650m)
アルコール:16度
精米歩合:59%
仕込み水:南アルプスの湧水(軟水)


明治40年に養命酒発祥の地と同集落である中川村大草にて創業した米澤酒造は、南信州伊那谷、天竜川の東岸に位置する。
良質な南アルプスの湧水に恵まれ、酒米は地元産を使用し、今では珍しくなった和釜による蒸米、酒袋・酒槽による搾りまで、手造りの醸造にこだわる。
長野県生まれの「アルプス酵母」や「協会9号」などの酵母を使うが、蔵に住み着いている「蔵付酵母」と呼ばれる、自然の酵母により、一層味の深みが増す。
今錦という銘柄の由来は、先祖に草相撲の横綱がおり、そのシコ名である。

また、飯沼の棚田(おたまじゃくしが沢山いる)を守る信念のもと、そこの酒米を使用した『おたまじゃくし』というシリーズを出している。
おたまじゃくしシリーズは、その酒質の変遷をおたまじゃくしの成長にかけて3段階に描いている。


★ひやおろしとは、冬に絞られた新酒の鮮度や味が劣化しないように、春先に一度火入れし、大桶に貯蔵したまま一夏熟成させ、2度目の火入れをせず秋口に解禁される酒。

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人気一伝統技法 和釜蒸し濃い純米吟醸 720ml(2017年3月)
【2017年4月13日】

人気一伝統技法 和釜蒸し濃い純米吟醸2_550
人気一伝統技法 和釜蒸し濃い純米吟醸3_550

■テイスティングコメント
外観は透明感のある淡いイエロー。
熟したバナナやマスクメロン等のフルーツ香や、米の香り。
口に含むと、とろみと錯覚しそうなほどの、押し寄せるコクを感じる。
芳醇な旨味が広がり、鉱物を彷彿とさせる、どっしりとした存在感がある。
落ちていくだけでなく、酸、ミネラル由来の切れ味へと繋がっていく。


荘厳な岩石のような存在感を有する酒。

人気一伝統技法 和釜蒸し濃い純米吟醸img_600

著作者:Neticola

■概要
産地:福島/人気酒造
酒米:掛米・チヨニシキ/麹米・五百万石
アルコール:16度
精米歩合:60%
酵母:吟醸酵母
仕込み水:安達太良山雪解け水40年(軟水)


現在、酒蔵で米を蒸す作業は、連続蒸米機で簡略化されている場合が多い。
しかし、人気酒造は敢えて伝統的な和釜を利用している。
鋳物の和釜は強火に耐えるため、通常よりも高温の乾燥蒸気を発生させ、蒸米表面から余分な水分を飛ばし、外硬内軟の理想的な蒸米を作り出す。

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