Riesling 2006 Marcel Deiss
リースリング 2006年 マルセル・ダイス
【2014年8月9日】


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■テイスティングコメント
【外観】
アルザス・ブランより濃縮感のあるレモンイエロー。


【香り】
グラスに注ぐと柑橘系のアロマと、クラシカルなぺトロールが香る。


【味わい】
口に含むと、フレッシュな酸味を感じ、ミネラリー。
甘くはなくドライな仕上がり。


【イメージ】
ドライな印象から、飲んで真っ先に浮かぶイメージは、荒廃した畑、水気はない。
岸壁に砂嵐が吹き抜け、その風に乗り大鷹が高度を上げる。
切り立った崖で羽を休める気高い大鷹のような孤高のワインです。


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■概要
2005年ヴィンテージ以降、サン・イポリットとベブランハイムをブレンドしている。
サン・イポリット:1.8ha。平均樹齢25年。砂質、花崗岩質主体の軽めの乾燥土壌。花崗岩に由来する酸とミネラルがしっかりとした構造を持つワインを生むテロワール。特にリースリングとゲヴュルツトラミネールに向く。
ベブランハイム:2ha。平均樹齢20年。古代には海岸であり、500~600メートルに及ぶ海洋微生物と砂礫質層が基盤で、表土は軽い石灰岩質。この土壌は水捌けと保熱性が良く、高い酸と豊かなコクが得られる。


所在村:Bergheim
醸造家:Jean-Michel Deiss
所有畑面積:26ha
ドメーヌ継承年:1975年
栽培における特記事項:ビオディナミ(1997年ECOCERT認証、2007年demeter認証)。クローン樹を極力使用しない 。
醸造における特記事項:平均収量は33hl/hl(全アルザスの平均は78.80hl/ha)。白は除梗せず、赤は約80%除梗する。天然酵母のみで発酵。赤は木製開放槽、白は大樽で発酵。シュール・リー熟成。


ジャン・ミッシェル・ダイスは、アルザスに初めて「テロワール」の概念を持ち込み、AOC法の改正(ラベルに品種名を表記しなくてもよくなったこと等)を成し遂げた。
現在も彼が昔から提唱する、畑の個性に基づく「プルミエクリュ」を実現させるべく運動を続けている。


「ぶどうの樹は、自ら養分を求めて根を土中に伸ばします。この土中深くにあるものがその土地のテロワールです。ここは気候の影響もほとんど受けません。根が地表に留まると気候の影響をモロに受け、土地の個性は失われてしまいます。僕のワインは、例えば酷暑だった2003年も、濃さは例年と変わりませんでした。ビオディナミも、このテロワールを引き出すための手段に過ぎません。」
「また今日、アルザスのほとんどの畑で同じクローンばかりが植えられるようになりました。その結果、どのワインを飲んでもクローンの個性の味しかしなくなりました。アルザスの土壌は、太古の地殻変動に由来する極めて複雑で多様なものです。個々の土地の強烈な個性をそのままワインに表現することが、僕の人生です」
「何かを良くしようと思ったら、それは愛によってのみ可能だ」